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東北大学金属材料研究所  野村研究室

研究室の概要

当研究室は物性物理の理論研究室です。

物性物理とは?

物質におけるミクロとマクロをつなぐ学問です。ミクロな世界(目で見えない世界)は原子核や電子からなり、それらの粒子は量子力学に従って運動します。マクロな世界(目で見える世界)では、量子もつれしあう電子がたくさん集まることによって、一つの電子の運動からは考えられないような豊かで多彩な現象が創発します。この物性の豊かさがゆえに、新しい物理概念が次々と誕生し、世界中の研究者を惹きつけています。このため、物性研究は常に研究の最前線にあります。また、量子もつれというキーワードは量子計算実現の鍵でもあり、量子コンピュータ分野と物性分野の間には深い関係があります。実際、野村研究室も2022年に立ち上がったCOI-NEXTのプロジェクト量子コンピュータ分野に参画します。

研究とは?

研究者の仕事は研究成果を論文にまとめることです。査読を経て論文が学術雑誌に載ると研究成果を世界に向けて発信されます。論文はこれまでに知られていなかった新しい発見・知見を報告します。研究室で研究に関わるということは、まだ世の中で誰も知らないことに携わることができる(あなただけが知っている!)という魅力があります。論文を書いて、世界に自分の研究成果を発表してみたい、という意欲的な学生の方を歓迎します。

研究室の目標

物質には"個性"があります。電気や熱を通す物質もあれば、通しにくい物質もあります。磁石になる物質もあります。ピカピカ光沢を示す物質もあれば、透明な物質もあります。そのような"個性"を理解して、世の中の役に立つ機能物性を示す物質・もしくはまだ世の中の役に立つかわからないけれども、とっても面白い性質を示す物質を設計したいというのが研究室の目標です。

研究手法

科学を実験・理論・計算・データ科学と4つの科学に大別した際、野村研究室では後半の3つ全ての手法を駆使して、物性設計という挑戦的課題に挑もうとしています。特に最近では、計算機(スーパーコンピュータ)の性能が飛躍的に向上していますので、計算・データ科学分野の数値シミュレーションの有用性がどんどん高まっています。当研究室では、物理・化学分野で発展してきた密度汎関数理論などの第一原理計算手法から、動的平均場理論などの量子多体理論、人工ニューラルネットワーク /機械学習などのデータ科学手法まで、幅広い計算機シミュレーションが実行可能です。これらは全て挑戦的課題に立ち向かうための"武器"となっています。これらの"武器"で得た計算結果を吟味して、そこからいかに本質を抜き出して物性を議論するかが腕の見せ所になります。
上記の内容は古典の計算機を用いた研究内容ですが、新しい方向性として量子コンピュータを用いた次世代計算技術にも着目しています。

研究テーマはどんな感じ?

野村研究室では、様々な理論・数値・データ手法を扱いますので、選択肢の幅は大きいです。どの選択肢にしても、数値計算プログラミングや、数値データ(ビッグデータ含む)を扱うことを学ぶことができます。まずはいろいろな手法を体験してもらって、その中から自分にあったテーマを相談して決めましょう。興味のある物理現象によっても適切な数値手法は異なってきますので、ご自身の興味のある物質という観点でテーマを選ぶことも可能です。また次世代計算技術(量子コンピュータ)開発促進のための研究テーマも選ぶことができます。

研究室生活はどんな感じ?

各自の作業と議論を繰り返す形でフィードバックをかけながら研究を進めていきます。研究の作業自体は、PCとネット環境があればどこでも作業できます。議論は、教授の野村や、研究室の他のメンバー、共同研究者の方々(google scholarの論文リストなどを見ていただけると国内外様々な方と一緒に頑張っていることが分かるかと思います)とすることになります。研究に励めば、ご自身の研究成果を論文にまとめて学術雑誌に投稿することも視野に入ってくると思います。みんなで知恵を出し合って一歩ずつ進んできましょう!最後まで学生の皆さんの研究をサポートします!

最後に

研究室選びは大切です。研究テーマとの相性だけでなく、教員との相性も非常に重要なので、研究室選びの際は(私の研究室でなくとも)直接教員と話してみると良いと思います。研究室見学はいつでもお待ちしています!気軽に野村(yusuke.nomura_at_tohoku,  _at_→@, tohokutohoku.ac.jp)にご連絡ください!