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東北大学金属材料研究所 野村研究室
研究室の概要
当研究室は物性物理の理論研究室です。
物性物理とは?
物質におけるミクロとマクロをつなぐ学問です。ミクロな世界(目で見えない世界)は原子核や電子からなり、それらの粒子は量子力学に従って運動します。マクロな世界(目で見える世界)では、量子もつれしあう電子がたくさん集まることによって、一つの電子の運動からは考えられないような豊かで多彩な現象が創発します。この物性の豊かさがゆえに、新しい物理概念が次々と誕生し、世界中の研究者を惹きつけています。このため、物性研究は常に研究の最前線にあります。また、量子もつれというキーワードは量子計算実現の鍵でもあり、量子コンピュータ分野と物性分野の間には深い関係があります。
研究とは?
研究者の仕事は研究成果を論文にまとめることです。査読を経て論文が学術雑誌に載ると研究成果を世界に向けて発信されます。論文はこれまでに知られていなかった新しい発見・知見を報告します。研究室で研究に関わるということは、まだ世の中で誰も知らないことに携わることができる(あなただけが知っている!)という魅力があります。論文を書いて、世界に向けて自分の研究成果を発表してみたい、という意欲的な学生の方を歓迎します。
研究室の目標
研究はこれまでの常識を塗り替えるのが仕事です。高度な理論・数値手法を駆使して、これまでの常識には当てはならないような面白い現象を探索したり、これまでの理解を覆すような発見を目指しています。そのため、非平衡現象などのこれまで理論的・数値的取り扱いが非常に難しい問題にも果敢に挑戦していきます。
研究手法
科学を実験・理論・計算・データ科学と4つの科学に大別した際、野村研究室では後半の3つ全ての手法を駆使し、場の量子論などの高度な理論に加え、計算・データ科学分野の数値シミュレーションも実行します。当研究室では、物理・化学分野で発展してきた密度汎関数理論などの第一原理計算手法から、動的平均場理論などの量子多体理論、人工ニューラルネットワーク /機械学習などのデータ科学手法まで、幅広い計算機シミュレーションが実行可能です。これらは全て挑戦的課題に立ち向かうための"武器"となっています。これらの"武器"で得た計算結果を吟味して、そこからいかに本質を抜き出して物性を議論するかが腕の見せ所になります。
上記の内容は古典の計算機を用いた研究内容ですが、新しい方向性として量子コンピュータを用いた次世代計算技術にも着目しています。
研究テーマはどんな感じ?
研究テーマを決める際には、ご自身の好奇心・興味が大事になってきます。その上で、野村研究室では、様々な理論・数値・データ手法を扱いますので、必ずご自身の興味と合うようなテーマが見つかると思います。
研究室生活はどんな感じ?
各自の作業と議論を繰り返す形でフィードバックをかけながら研究を進めていきます。研究の作業自体は、PCとネット環境があればどこでも作業できます。議論は、野村教授、村上准教授、陳助教、森助教、研究室のメンバー、共同研究者の方々(google scholar(野村)、google scholar (村上 )、google scholar (陳)、google scholar (森)などを見ていただけると国内外様々な方と一緒に頑張っていることが分かるかと思います)とすることになります。研究に励めば、ご自身の研究成果を論文にまとめて学術雑誌に投稿することも視野に入ってきます。物理の研究に打ち込みたいという方を歓迎します!
最後に
研究室選びは大切です。研究テーマとの相性だけでなく、教員との相性も非常に重要なので、研究室選びの際は(私の研究室でなくとも)直接教員と話してみると良いと思います。研究室見学はいつでもお待ちしています!気軽に野村(yusuke.nomura_at_tohoku, _at_→@, tohoku→tohoku.ac.jp)にご連絡ください!